[戻る]




16.崖上の土地の言い分、崖下の土地の言い分−1

 宅地が平坦な地域にある場合や、隣の土地の段差があってもブロック2段くらいの場合、気にならないことや問題とならないことも、隣の土地との段差が人の背丈ほどとなるといろんな問題が見えてきます。

 最近はコンクリート擁壁といって、十分な耐力を持たせた垂直な段差が多くなってきました。しかし、以前はほとんど斜面状にし草木が生長するようにして崩れないようにしていました。
「法面」いわゆる「のり」です。

 この「法面」はある程度傾斜がきつくなっています。余り緩くとると平坦な土地面積が減りますから、不経済なのです。かといって、余り急だと崩れる恐れがあります。

 隣の土地と「法面」を介して接しているとき、土地の境界はどこにあるでしょうか。これは決まり事や慣習があるわけでありません。通常はコンクリート柱の境界標などが設置されています。

 今までの経験では、「法面」の上の方に境界があるケースがほとんどでした。あとは法面の中間付近にある場合と、法面の下の方にある場合が考えられます。

 どうやって上か下か決めたのか、確たることは判りません。盛り土して段差をつけた場合、切り土して段差をつけた場合によっても変わるようです。

 法面が誰のものか誰のためにあるのかは、境界によって決まります。上の方にあると言うことは、法面は崖下の宅地のためにあるといえます。つまり、法面がきちんと維持されないと崖崩れが起きて、下の土地が迷惑を被るから法面を崖下の土地の一部とした、と言う考え方が可能です。

 崖上の土地の人が自分の平坦土地部分を拡張しようとして、法面に盛り土したとします。傾斜はきつくなり、大雨で土砂が崩れた場合に大きな被害を被るのは、崖下の土地の人です。

 こんなことを考えて、法面の上に境界を決める場合が多かったのかもしれません。
考え方はともかく、崖下の土地所有者は法面を管理し、崖崩れが起きないようすることができると共に、自分の土地を守るために維持してゆくことになります。

話が長くなりましたので、続きを次回のページでお話しします。



BACK不動産よもやま話NEXT



| TOP | ご挨拶 | 売買情報 | 賃貸情報 | 不動産よもやま話 | 会社案内 | スキー教室

ご意見ご感想は daiti@jeans.ocn.ne.jp までよろしくお願いします。