近年多くの問題を投げかけた食肉の産地偽装事件は、皆さんの記憶に新しいと思います。
牛肉や鶏肉の産地偽装をしたメーカーは、当然ながら一般消費者の信頼を失い、企業として立ちゆかなくなりました。また、産地を偽装して店頭販売した小売店やスーパーがありました。
いろいろな事情があったのでしょうが、一般消費者の信頼を失った企業は市場から退場しなければならないことを改めて認識した事件です。
しかし、この信頼喪失は偽装した企業にとどまったでしょうか。食肉流通市場全体が信頼を失いかけたのではないでしょうか。その影響は生産農家まで巻き込んだものと思います。
だいぶ前になりますが、特定の顧客に利益を供与した証券会社のことが社会問題となりました。顧客は全員が平等の自己責任の下で取引し参加しているものと信頼していました。しかし、その大前提が証券市場を運営している企業によって崩されたのです。
当然ながら、証券市場は信頼を失い多くの一般顧客が取引から離れていきました。経済情勢の激変とともに名もない一般の消費者は証券市場から離れたわけです。
市場の信頼を失えば、その業全体が低迷するわけです。逆に信頼を得ることができれば、たとえ一つ一つは小さな取引でも、蓄積によって業界全体が活性化するものと考えます。
この話題は次回に続けます。
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